mol-74のエイプリルを聴いている。

4月なんてとうに過ぎ去ったから記憶も薄れて、思い出が美しく加工されていくようになった。

映画を綺麗だとか思えるほど僕の心は綺麗じゃない。たぶん君と見たから綺麗だったんだろうな。とか言って、加工された思い出に浸るのは愚かな人がやることだけれど、愚かでいる方が幸せな場合もあると思う。

ずっと前から、いつか誰かのことをこんなふうに写したいって思っていたのに、4月に撮ったどの写真もあのMVみたいに美しく見えない。

それでも写真に残る思い出はいつだって綺麗だ。幸せは人の目に映る暇もなく過ぎ去るから静止画にしないと見えない。

花火のようだとも思う。咲いたそばから散って、初めてそれが花であったことを知らせる。